とり子の楽観主義

オプティミストを目指すとり子の雑記ブログ。

【映画】少年は5歳になるまで「世界」を知らなかった。親子の悲劇と愛の物語『ルーム』感想

映画『ルーム』

今回は、映画『ルーム』を観た感想を書きたいと思います。

 

ある「部屋(ルーム)」に閉じ込められた親子の物語です。

サスペンス要素がありながら、秀逸なヒューマンドラマとしても完成された、非常に見応えのある作品です!

2018/7/15現在、Amazonプライム会員なら、Prime Videoで観ることができます。

 

 

 理不尽に閉ざされた「世界」を前に、親子は...

閉ざされた世界

『ルーム』あらすじ

 

母親のジョイと5歳になった息子のジャックは、狭い「部屋」に2人だけで暮らしています。

外の景色を見ることができる窓はこの「部屋」にはなく、外との繋がりを感じさせるのは唯一、太陽の光が差し込む小さな天窓のみ。

 

実はジョイは、ある人物によって7年もの間、理不尽にもこの「部屋」に閉じ込められています。

そしてジャックはこの「部屋」で生まれ、外の世界を全く知らないまま、ジョイの作り話を信じて育ちました。

そんなジャックも5歳となり、彼を守るために生きてきたジョイは一念発起し、ジャックと自身を救うべく、「部屋」からの脱出を試みます。

 

実際に起こった事件が基になっている

この作品は、2008年に発覚した、オーストラリアで実際に起こった事件をモチーフに作られています。

この「フリッツル事件」は、ある女性が実の父親によって24時間閉じ込められた挙句7人の子どもを産み育てていたという衝撃的としか言いようがない事件です。

『ルーム』はこの事件の映画化というわけではないので、主人公親子の置かれる状況や加害者との関係性はフリッツル事件とは異なります。

ただ、その悲劇的なシチュエーションや脱出のために親子が取る行動、その後の生活の描写は現実味に溢れており、本当にこんなことがあったら...と、戦慄を覚える内容となっています。

 

『ルーム』の本当の見どころは「部屋」を出た後

親子愛

「部屋」が恋しい?急激な環境の変化が親子にもたらしたもの

本作は衝撃的な事件をモチーフにしていると書きましたが、単なるインパクト重視の作品として収まらず、秀逸な見応えのある作品として観る者に感動を与えてくれます。

それは偏に、本作の焦点が「部屋」を出た後に当てられているからでしょう。

 

興味深いのは、恐ろしい経験をした「部屋」がたまに恋しくなるといったジャックの発言や、脱出後に次第に精神が蝕まれていくジョイの描写です。

「部屋」からの脱出が単純に幸せな日々へと繋がらないのは何故でしょうか。

 

ジョイにとっては「世界」に戻ったことで、他者からの好奇の目や心無い問いかけ、また「何も起こらなかった」人生を歩む友人との比較に精神を消耗させていきます。

自分がいる「世界」が広ければ広いほど自分の意図とは裏腹に物事は複雑化していくものなのかもしれません。

 

またジャックにとっては、狭くて理不尽ではあっても、「部屋」ではいつもママと一緒にいることができました。

しかし外の「世界」では以前のままの母親はおらず、ふたりだけの生活も変わってしまいました。

それは同時に、彼が母親以外の他者との関係を築くきっかけとなります。

 

親子愛に涙する

不遇の境遇を乗り越えようとするジョイとジャックは、互いを守るために行動を起こします。

それは、脱出後の「世界」でも同じです。

その純粋な愛の描写に胸が打たれます。

 

特にジャック役のジェイコブ・トレンブレイくんの演技は素晴らしく、幼いながらその表情や仕草で多くのことを語る演技を見せてくれます。

彼の演技だけでもこの映画を観る価値があります!

 

終わりに

どんな映画かほとんど知らずに鑑賞しましたが、ぐいぐいと引き込まれ、とても印象に残る作品でした。

特にお子さんのいる方なら、感動は必至かと思います!